body&mental care support diary

心と体のバランスを大切にするブログ

「持病の痛風について」

<本日の暦>

「処暑」(しょしょ)

「陽気とどまりて初めて退きやまんとすればなり」

暑さがおさまるという意味。

日中は暑くとも朝夕には涼しさを感じるように。

しかしながら、ここ最近の大雨の連続、そして台風と、災害級の気象に、気が付けば、もう夏は終わるだろう。

コロナ禍の及ぼす影響も計り知れなく、自粛中にお酒を宅飲みすれば、モヤモヤを紛らわす為についつい飲み過ぎる。

<痛風という病気>

私は痛風持ちなので、ビールはもう10年呑んでおらず、もっぱら焼酎だ。

しかし、痛風専門医によると、ビールではなく焼酎なら大丈夫というのは真っ赤なウソだと言う。

「痛風」は恐ろしい病気で、ある日突然、発作に襲われ、足の親指の痛みで身動きが取れなくなる。

1週間程度で痛みは治まっても、放置すれば発作を繰り返し、腎障害などを引き起こす。

ビールではなく焼酎なら大丈夫などと間違った情報を信じている人が多いのだそうだ。

因みに私もそうだ。

痛風という病気がどんな病気なのか、基本的な事は、高尿酸血症(血液中の尿酸値が7.0mg/dL以上の状態)が数年間続くことにより、関節内にたまった尿酸塩結晶の一部が剥離し、急性関節炎を起こした状態をいう。

高尿酸血症の人が皆、痛風の発作を起こすわけでは無く、日本の痛風患者の数は約100万人いる中で、高尿酸血症の人はなんとその10倍、1000万人にも上るといわれている。

これは、潜在的に痛風発作を起こす可能性のある人がそれだけいるという事だ。

高尿酸血症の患者のほぼ95%は男性、従来は50代、60代の男性が圧倒的に多かったのが、近年は40代から30代へとピークが変わりつつある。

20代も増えており、いまや若い世代の病気だといっても過言ではない。

<典型的な痛風発症のケース>

殆どは中年の男性で、夏の暑い時期、仲間と汗をふきふき大好きなゴルフに精を出し、ラウンドした後でサウナに入り、汗を流してさっぱりする、そしてビールをジョッキで何杯も飲んだ。

その夜はぐっすり眠れたのだけれど、翌朝、目が覚めると足の親指が腫れ上がって激痛が走った…

足の親指の関節に尿酸の結晶がかなり出来ていたところに激しい運動、過度の飲酒という刺激が加わって、痛風発作が起こった典型的なパターン。

患部に直接、振動や外傷など物理的な力が加わっても痛風発作は起きる事がある。

<食事は尿酸を生み出す第3のルート>

人間は体内の尿酸全体の7~8割を自分の体の中で作っており、健康な人であればその尿酸の多くを尿や便中に排泄している。

体内の尿酸が増えるメカニズムは、腎臓の尿酸排泄機能が低下して排泄する量が減ってしまうか、体内で作り過ぎてしまうか、もしくはそのいずれでもある。

これらの原因で高尿酸血症があり、痛風を起こした人は、私の様に薬を服用して尿酸コントロールを行う必要があるのだ。

食べ物を口にすることで体外から尿酸を取り込むことは尿酸を発生させる第3のルートだと考えられる為、尿酸のもととなるプリン体を多く含んでいる食品を食べ過ぎず、なるだけプリン体の少ない食品を中心に栄養バランスの良い食事をするに尽きる。

<焼酎なら大丈夫ではない>

ビールが高尿酸血症に良くないのは、プリン体を多く含んでいるからだと思われがちだが、よく調べてみるとレギュラーサイズ、350ccのビールに含まれているプリン体は、ご飯一膳に含まれるプリン体の4分の1か5分の1に過ぎなかった。

だからといってたくさん飲んでもいいと良いとは言えず、それは、ご飯のプリン体よりもビールのプリン体のほうが水に溶けている分、人体に吸収される量が多いからだ。

では焼酎なら大丈夫だと思い付くが、確かに焼酎にはプリン体は含まれていない。

しかし、根本的な問題があり、何と焼酎に含まれるアルコールが分解されるときに尿酸ができる事、更にアルコールが分解されてできる乳酸が尿の中に尿酸を排泄する腎臓の機能を抑えてしまうのだ。

結局、高尿酸血症の患者さんにとって飲酒が良く無いのは、全てこのアルコールの働きに原因がある。

<発泡酒>

発泡酒は、炭酸にビールの味つけをしたもので醸造酒ではないのでプリン体含有量は普通のビールの半分くらい。

つまり、ビールを飲むよりも発泡酒を飲む方が良い。

しかし、プリン体がより少ないとはいえ、飲み過ぎは禁物だろう。

<運動に関して>

筋トレは尿酸値を上昇させる。

基本的には散歩、軽い水泳、ジョギングやサイクリングなどの有酸素運動は有効で、尿酸値を上げることなく、高血圧や脂質異常の改善にも繋がる。

逆にお勧めできないのが競技スポーツや筋カトレーニングなどの無酸素運動。

無酸素では、筋肉中のアデノシン三リン酸というエネルギー源を使うことによって血液中の尿酸値を上げる事がある為。

しかしながら、無酸素運動は全て禁止だと身も蓋もない、尿酸値など体調を見ながら上手に付き合えば良い。

<まとめ>

痛風の治療は、その原因である高尿酸血症を治す事にあり。

辛抱強く薬を飲み続けたり、食事療法を続けたり、生活習慣の改善に努めたりしなければならない。

長期に渡る事あり。

痛風の発症のピークは30~40代、60代ぐらいまで患者は多いが70歳を超えると少なくなり、これは老化に伴って尿酸の産生量が減り、免疫機能の低下から発作自体が起こりにくくなるからだと考えられている。

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