body&mental care support diary

心と体のバランスを大切にするブログ

「醜い同調圧力」

<障害があると書かされた男性が自殺>

団地住民の集まりで、障害があると書かされた男性が翌日に自殺をしたらしい。

書面はひらがなで「しょうがいがあります」

「かんじやかたかなはにがてです」と。

こんな書面を書いた翌日、自ら命を断った。

男性は、障害を他人に知られる事を極端に嫌がっていたのに何故、書面を書かねばならなかったのか…

遺族が大阪地裁に起こした民事裁判で、男性が直面していた問題が次第に明らかになっていく。

<2枚にわたる手書きの便箋>

2枚の便箋に小さな平仮名の文字が並び…

「しょうがいかあります 

2500えんはふうとうにいれれます  

おかねのけいさんはできません  

1たい1ではおはなしできます  

ひとがたくさんいるとこわくてにげたくなります」

とこんな書面を書いたらしい。

男性には知的障害と精神障害があり、兄によると家族以外との接触は難しく、通院しながら大阪市営団地で一人暮らし。

一番の楽しみは、自室で見るテレビ番組だった。

当時、男性を悩ませていたのは、団地の自治会による、班長選びだった。

<「障害」を自ら書くまで>

男性の両親は2020年、書面の作成を強要され、障害に関するプライバシー権を侵害されて自殺に追い込まれたとして、団地の自治会や当時の役員2人を相手に慰謝料など約2500万円の損害賠償を求める裁判を起こした。

この中で証人尋問で証言台に立った兄によると、男性は人と接することを極度に嫌う性格で、スーパーで店員から話しかけられるだけでも苦痛に感じるほどで、唯一の例外は近くに住む家族で、ほぼ毎夕、実家を訪ねて兄と夕食を共ににしていたという。

そして男性が一貫して嫌がっていたのが、自分の精神障害を知られること。

障害者手帳は持っていたが、周囲に障害者と思われるのが嫌で、手帳を見せれば割引になる映画館などでも絶対に出さなかったと、兄はそう振り返った。

そんな男性に来年度の自治会の班長をくじ引きで決めますという連絡が投函される。

訴状などによると、慌てた男性は、すぐに当時の自治会役員の元へ…

「僕は精神の病気で、班長はできません」と伝えて部屋に戻ったが、のちに別の役員から「あなただけ特別扱いできない」と言われ途方に暮れた。

最終的に社会福祉協議会から紹介されたコーディネーターが間に入り、この自治会役員の2人と話し合う事になる。

仲介役のコーディネーターの女性は自治会の会合で、男性には障害がある為、班長は出来ないという事情を説明するが、役員からは他の住民にどう説明したら良いのだと困惑の声が上がる。

すると出席者から男性にできる範囲で班長を手伝ってもらう案が出され、そこで役員の1人が「ここに、普段できること、できないことを書いて頂いてもいいですか」と促したという。

<精神的苦痛>

同じフロアの住民に説明するため、男性に具体的には何が出来るのかを確認しようとしたという。

「おかねのけいさんはできません」

「いぬとかねこはにがてです」

「となりにかいらんをまわすことはできます」

「自てんしゃにはのれます」

「よるはくすりをのまないとねむれません」

出席者が声を出し、男性に書かせるを繰り返し、手が止まると指を添えて誘導する。

コーディネーターは、男性は一個一個、書くのに大変そうな感じでした、字が出てこないものもあったと証言している。

集中している表情で、書くのに慣れておらず大変そうだと受け取れたという。

会合は2時間に及び、文面は1枚には収まらず、便箋2枚分の18行に、最後は便箋の末尾に全員が記名し、自治会の印鑑も押した。

会合を終えた日の夜、兄によると、実家にやってきた男性は、ひどく落ち込んだ様子だった。

心配して「今日の集まりはどうだった?」と尋ねると、ため息をつき「さらし者にされる、どうしよう」とつぶやいたという。

翌日、男性は自殺、初めて弟が残した便箋の現物を目にした兄は、信じられない思いに駆られる。

会合での班長決めの席で、男性とコーディネーターだけが和室(別室)に入り、手元のメモを住民1人ずつを呼んで班長ができない事情を説明するという段取りも決められていたという。

そして、弟はそもそも文字をそんなに書く事は出来ない、更に何でこんな事を書く必要性があったのか、言われて書かされているとしか思えない、心から驚き、怒りがこみ上げて来たという。

<双方の証言>

遺族側の弁護士は「せんたくはできます」「ひとがたくさんいるとこわくてにげたくなります」ここまで、書く必要があったのかとコメント。

一方、元役員は証言台で、男性から障害の事は言わないでほしいと伝えられ、くじ引きから外すと住民からどうしてだ、と聞かれたら、答えようが無いと当時の苦しさを振り返り、男性との会合は円満な雰囲気だったとも説明。

別の元役員も、便箋は備忘ないし記録のために作成したと書面で主張し男性が嫌がる様子や抵抗するような態度もなかったとして、作成を強要した事実はないと争っている。

<まとめ>

自治会役員にとっては、班長選びが相当な精神的負担だったことも裁判からは伺えるが、障害のある人は、やはり周囲が思いやりを持って接するべき。

その障害の内容は、重要なプライバシーで、守られるべき。

そもそも健常者であっても、他人が踏み込むのを躊躇し、控えるべき心の領域はあるだろうに。

個人の尊厳は、どこまで浸透しているのか、障害や、特別な事情に配慮する自治会のルールがあれば、事態は違っていたのではと思う。

今回の事件を裁判所はどう判断するのか・・・

私の結論を言わせて戴くと、間に入ったコーディネーターが男性の「班長は無理だ」という説明で理解出来ただろう。

反発があれば持病の為だとすれば良い。

それ以上は個人情報のため言えない、で通せたのではないか。
障害者でなくても、書かされたことを言われたら苦痛に感じる。
この様な自治会やPTAは、過剰な同調圧力が酷くく、あらゆる場所の村社会が存在していると思う。

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