＜早期退職＞
今、大企業を中心に早期退職の募集が相次いでいる様だ。
高年齢者雇用安定法の改正で「70歳定年」が叫ばれるようになった。
だが、不景気も相まって今の会社に居続けられるとも限らない。
早期退職を選ぶ人達には、事情があるものの、悔やむ者もいるという。
ある製造業界に勤めていた60代の方は早期退職後に厳しい現実が待ち受けていたそうだ。
＜厳しい現実とは＞
52歳で早期退職して後悔。
退職を決意したのは、52歳の誕生日の目前。
50代で早期退職することになるとは夢にも思っていなかったという。
もちろん、葛藤もあり、50代といえば働き盛りで、報酬もそれなりにあり、それを全て投げうって退職した理由は、病身の両親の面倒を見る為。
都会から実家に戻ってきたが、再就職は困難、自分は無職という現実を突きつけられたという。
つまり、仕事が無い現実。
失業保険を貰いながら暮らし、受給期限が過ぎても再就職先は見つからない。
田舎は、若者でさえ仕事は無く、当然50歳を過ぎた中年男性に手を差し伸べてくれる企業はなかったそうだ。
＜再就職を目指して資格を取得＞
ずっと無職のままでは生活が出来ず、退職した当時は、これといった資格は何も持っていなかった為、再就職に備えて資格取得を目指すことに。
ただ、どんな資格が再就職に有利なのか想像もつかず、そして記憶力の衰えた身では、勉強もスムーズに捗らない。
そんな中、職業安定所の担当者のアドバイスによって幾つかの試験に合格。
宅地建物取引士（当時は宅地建物取引主任者）と測量士補の資格を取得。
努力が報われ、やっとの思いで取得した資格、しかし、それでも再就職は叶わなかったという。
＜時給800円台のアルバイト生活＞
社員として内定が貰えない為、アルバイトでも良いと妥協して、ガソリンスタンドで働く。
乙種4類危険物取扱者の資格を保有していたから直ぐに採用、とはいえ、あくまでもアルバイト、時給800円台での生活は厳しいものがあった。
住居は、両親が残した一戸建てがあるので家賃の心配は無く、むしろ貸家を2軒残してくれていたので少しの家賃収入は得られたそうだ。
しかし、いっこうに正社員としての仕事は見つからないままだった。
＜60歳を過ぎて正社員は夢物語＞
当時大学生の娘がいたその方は、学費の心配もあったと話す、検討した末に出した答えは、株と投資を始めることだった。
60歳を過ぎて正社員は夢物語なのだ。
株は経験があった為、投資自体には抵抗は無く、金融投資には退職金の一部を割り当てたそうだ。
当然、失敗したら人生の終わりという懸念もあったが、やってみることに…
思うように結果が出ず、利益が出るようになったのはずっと後だという。
そして現在も無職で、単発のアルバイトをしながら日々を過ごしている。
＜まとめ＞
田舎へUターンした結果が満足に仕事にもありつけない状況になった。
想像以上の辛さがあると察する。
金融投資も長く続けられるという保証は無い。
やはり、60歳を過ぎると正社員は夢物語か。
早期退職を考えている人は、目先の事象にとらわれず、よく考えてから結論を出した方が良い。
