<奈良公園のシカ>
国の天然記念物に指定されている奈良公園に生息するシカが、周辺のシカと異なる遺伝子を持っていることが判明したらしい。
福島大学などの研究チームが発表したそうだ。
国の天然記念物に指定されている奈良公園のシカは、「神の使い」とされている。
<研究者達によると>
福島大学などの研究チームが、奈良公園のシカの独自の遺伝子型を見つける。
奈良公園と紀伊半島各地に生息するニホンジカを対象にDNAを抽出し、詳細な遺伝解析を実施したところ、奈良公園のシカからは他の地域では確認されていないということが分かる
この研究で、奈良公園のシカは1000年以上前から、紀伊半島に住む他のシカの集団と交流がないことが明らかになったということだという。
研究チームは、紀伊半島全域で人間の狩猟や開拓により野生のシカの群れが消滅する中で、奈良公園のシカは人間の保護によって1000年以上も生き延びてきた歴史的背景が明らかになったとしている。
<生きる文化財>
福島大学共生システム理工学研究科の専門家は、狩猟などで捕獲されて、他の群れが絶滅する中で、個体が奈良公園のみで生き残ってきた。
まさに生きる文化財だと語っている。
他に大変驚いておられるのは、春日大社宮司・花山院弘匡という方。
「神のシカ」として、もうそれは大切に守られてきたシカが、科学的にも特別なシカだということがわかったということに、大変驚いているとコメントしておられる。
<まとめ>
近年、野生のシカは、分布域が拡大し個体数も増加していて、1000年以上にわたって保たれてきたバランスが変わりつつあると研究者達は言う。
この奈良公園のシカを今後、どのように未来に残していくかを考えるきっかけにしてほしいと締めくくっている。