<上下関係のない組織は良いのか>
近年、リーダーがトップダウンで意思決定を下すピラミッド型組織とは異なり、意思決定の権限においてメンバー間で差をつけない横並びの組織への注目が高まっているという。
ただ、この組織形態の現実的なデメリットについては、あまり知らされてはいない様だ。
正解が分からないから、横並びの組織を導入するのは本末転倒。
例えば勤めている会社が、以前までは上下関係のはっきりしたピラミッド型組織だったとする、しかし、VUCAの時代を迎え、上席にも正解が分からないので、全員横並びのティール型組織に移行したとする。
お互いに全員「さん」づけで呼ぶようにルール化もする。
この場合、そのうち失敗する可能性が高いのではないだろうか。
何故なら、上席が正解を持っていないからだ。
つまり、組織を横並びにするという発想がそもそも間違っている様に思う。
<やるべきなのは逆>
本来やるべきことは全く逆ではないだろうか。
誰も正解を持っていない時代だからこそ、責任者が次々とスピーディーな意思決定をして、PDCAサイクルを高速で回すべきだろう。
これにより、実践の場数をたくさん踏みながら、アイデアや施策の質を高めて行ける。
横並びの組織では、スピーディーな意思決定よりもどうしてもメンバー全員での会議が重視され、多くの場合、この会議は全員の意見が一致するか、又は過半数が納得するまで続くので、PDCAの「DO」に辿り着くまでかなり時間がかかってしまう。
<得策はあるのか>
DOに辿り着くまで時間がかかるという事は、施策の結果をブラッシュアップする機会が少なく、高速でPDCAサイクルを回す他社に確実に負けてしまう。
更に、責任者がいない為、成果が出なかった時の責任の所在が不明確。
つまり、正解がない時代だからという理由で全員横並びの組織を導入するのは得策ではないというのが厳しい現実。
<まとめ>
ここ数年、リーダーがトップダウンで意思決定を下すピラミッド型組織とは異なり、意思決定の権限においてメンバー間で差をつけない横並びの組織への注目が高まっている。
ただ、この組織形態の現実的なデメリットがある事はあまり知られておらず、現実を受け止めて知っておく必要があるだろう。
働く者のより良いメンタル形成の為に、知っておくべし。