<顔の皮膚に振動するメンタルケア?>
名古屋大学が11月から始まる臨床研究。
そして、振動装置の装着。
一体、どういう事?
名古屋大などは、うつ病やPTSDに悩む人に、皮膚に振動を与えるマスク型装置を顔に着けてもらい、症状が改善するかどうか確認する臨床研究を11月中旬に始めるという。
過去の研究で、微細な振動を伴う低周波音によって軽度認知障害(MCIという)の人の記憶力や注意力の改善を確認。
今回の臨床研究では自然由来の低周波音などを振動に変えて利用し、薬物に頼らないメンタルヘルスケアの方法の確立を目指すというもの。
<臨床研究>
臨床研究はロンドンの医療機関で実施。
うつ病やPTSD、不安障害、ADHDなどの男女約30人がプラスチック製の装置を1日2回、各10~20分使用し、睡眠の質や症状の変化を記録する。
森や海辺などの自然環境やクラシック音楽から抽出された耳で聞こえない低周波の音を振動に変換し、顔の皮膚を通じて脳に伝えるという仕組み。
<PTSD(Post Traumatic Stress Disorder)とは>
命を脅かすような強烈な心的外傷(トラウマ)体験を切っ掛けに、実際の体験から時間が経過した後になってもフラッシュバックや悪夢による侵入的再体験、イベントに関連する刺激の回避、否定的な思考や気分、怒りっぽさや不眠などの症状が持続する状態を指し、日本語では「心的外傷後ストレス障害」という。
一方で、トラウマ体験の1か月以内でも、日常生活に支障が出るほどの精神的問題が生じている場合は「急性ストレス障害(ASD:Acute Stress Disorder)」と診断されることがある。
<不安障害>
生活を送る中で不安を感じることは誰でも見られることがある正常な感情だが、過度な不安を感じてしまい自分自身でコントロール出来なくなると社会生活に支障を生じるようになり、この状態を不安障害と呼ぶ。不安を感じる対象や症状の出方は様々で、全般性不安障害やパニック障害などのタイプが含まれる。
又、不安障害ではうつ病やそのほかの不安障害(パニック障害、全般性不安障害、恐怖症、強迫性障害など)を併存しやすいことが報告されており、併発すると症状が悪化しやすくなり、病気の状態が長引く要因になるので早期から治療に繋げる事が望ましい。
<まとめ>
トラウマ体験後に気持ちが不安定になることは、誰しもが経験することで、ただ、1か月を経ても上手く対処出来ずいる状態では、PTSDを発症している可能性があるという。
名古屋大と秋田大による共同研究では、高齢者施設でMCIなどの35人に微細な振動を伴う低周波音を1カ月間流し、記憶力や注意力の改善を確認。
マウスを使った実験でも代謝や筋力、認知機能が上がったそうだ。