<ドーパミン>
悪口を言うと、脳内にドーパミンが放出される。
ドーパミンは神経伝達物質の一つで幸せホルモンとも呼ばれ、この物質が出ると生産性がアップし、達成感を得て楽しい気分になり、やる気や幸福感を引き出す重要な物質なのだが、一方で依存を引き起こす要因とも言われている。
<歳を重ねると愚痴が増えるのは何故?>
これは、前頭葉が老化してくると物事を悪くとることが増えるのが原因だといわれており、逆に言えば、前頭葉の老化を防がことが出来れば、物事の良い面が見えやすくなり、愚痴も少なくなる。
愚痴が愚痴を呼ぶ負のスパイラルに陥ると、どんどん前頭葉が老化していくのでそうならない様にしたい。
<前頭葉の機能低下>
気持ちのコントロールが出来ずにイライラしたお年寄りが店員を怒鳴ったり、愚痴っぽいことを口にする場面を見かけたことがある。
高齢者に限った話ではないが、老年期になると怒りっぽくなったり、愚痴っぽくなったりする傾向があるのも事実。
<怒りっぽい愚痴っぽい人の心理>
人には個性があり、生まれ持った気質や、育ってきた環境など様々な要因で人格が形成されていく。
現在の高齢者は昭和の時代を生きて来たので、時代背景からも周りから厳しく叱られることが当たり前だったのではないだろうか。
逆に、甘やかされて育った場合にも我慢をすることが出来ず、怒りの感情がコントロール出来ない我がままな人格になってしまうことがある。
愚痴は、言っても仕方の無いことを言って嘆くこと。
仏教用語に由来しており「愚」も「痴」も心理を理解する心がなく、愚かなことを意味する。
殆どが人間関係、他者に対する発言であり、自分を変える気がなく、他者に対して自分に都合良く変わってほしいという心理が働いている。
更には、その根底に自分は悪くないという気持ちがあるから、何故自分が苦労しなければならないのかと改善の努力をしないことが特徴。
<前頭葉の機能低下を予防するには>
ズバリ、わくわくする体験をするのが良いとされており、これは、思いもよらないこと、先が読めない事が起こることで、血流が増加し、前頭葉が活発に動くようになるからだと言われている。
初めて会う人と対面して会話する時、その人を理解しようと前頭葉が活発に動く。
例えば、定年後は家族以外の人と会う機会が随分減ったりするので、自分なりの趣味を見つけてコミュニティを作るのも良いだろう。
脳の機能は20歳をピークに年々低下し続け、50代以降は急速に衰えることが分かっているそうだ。
将来なりたくない病気のアンケートでは、2位のガンを大きく引き離して、常に1位の「認知症」その理由は、周りの人や家族の負担が大きいからだという。
近年、認知症の研究は格段に進歩し、認知症に進む前に対策を始めれば、予防出来ることも分かっている。
正しい対策をするために、先ずは物忘れと認知症の原因を知るべし。
<グリア細胞>
ものごとの記憶、回想、思考、そしてその際に電気信号が巡るネットワークが神経細胞だ。
この神経細胞の減少や機能低下が、脳機能の低下の原因とされてきた。
脳内にバラバラにインプットされた情報を繋げて深く考えることが出来るのが神経細胞。
神経細胞は脳全体の1割に過ぎず、残りの9割はグリア細胞が占めており、長い間グリア細胞は、神経細胞の隙間を埋める保護剤程度にしか見られていなかった。
しかし徐々に、もっと重要な役割を果たしていることが判明してきているという。
つまりこのグリア細胞の数が減ったり、活性が落ちると、脳の機能が失われていくことが判明。
脳の90%はグリア細胞、認知症の過半数を占めるのがアルツハイマー型認知症、グリア細胞の減少や機能低下はアルツハイマー型認知症の発症や進行にも大きく関係している。
<グリア細胞が減少、機能低下すると>
①記憶力が衰える
グリア細胞の活性が低下すると、新しいことを覚えられなくなったり、覚えていたはずのことを思い出せなくなる。
②思考の整理が出来なくなる
グリア細胞が減ることで脳内細胞の接続が正しく行われず、思考の結果に悪影響が出てしまう。
③頭の回転が遅くなる
グリア細胞が減ると、脳内の情報伝達ネットワークが遅くなり、頭の回転が遅くなる。
④物忘れがひどくなる
グリア細胞が減ると神経細胞は栄養補給ができず、脱落して死滅してしまう。
⑤認知症へ早く進行する
脳内のゴミを除去する役割を持つグリア細胞が減ると、ゴミが溜まり、脳が炎症。認知症への進行が早まります。
物忘れは「MCI」これは軽度認知障害とも呼ばれ、認知症の一歩手前の段階だそうだ。
MCIを放って置いた場合、4年後には約50%もの人が認知症へ進行する。
<まとめ>
グリア細胞が減少、機能低下すると、記憶力が衰え、思考の整理ができなくなる。
頭の回転が遅くなり、物忘れがひどくなる。
認知症へ早く進行する。
MCIのまま対策をしないでいると、4年後には半分の確率でアルツハイマー型認知症へ進行する。
前頭葉の機能低下を予防するには、わくわくする体験をするのが良い。
思いもよらないこと、先が読めない事が起こることが効果的。
ドーパミンは神経伝達物質の一つで幸せホルモンとも呼ばれているので良く笑い、脳内を幸せな気分にさせると良い。