<熱中症とは>
熱中症とは、気温や湿度の高い環境に身を置くこと
によって体温調節機能がうまく働かなくなり、体温が異常に上昇することで起こる健康障害のことをいう。
多量の発汗によって体内の水分や電解質も失われる為、全身に様々な症状があらわれる。
<熱中症の応急処置>
当たり前だが、涼しい場所に移動し先ず体を冷やす。
濡れた衣服は汗の蒸発の邪魔をし、身体に熱がこもる原因になるので脱いで汗を拭きとり、その際扇風機やうちわなどで風を当て、皮膚の水分蒸発を促すと、効果的に体温を下げることが出来る。
濡れタオルや氷枕などを太い血管が走行する首、脇の下、脚の付け根に当てると更に効率よく体温を下げることも出来る。
<水分と電解質の補給>
熱中症を発症すると体内の水分と電解質が失われる。その為、十分な水分補給をする。
ポイントは出来るだけ冷たいものを用意すること。
同時に電解質の補給も必要となり、身体に必要な電解質を含んだ経口補水液を飲むことをお勧めする。
すぐに手に入らないときは水に塩を溶かしてつくる濃度が0.1~0.2%の食塩水でも良い。
<近年の熱中症の実態>
日本の夏は年々暑くなる傾向が見られる。
加えて、熱中症弱者と言われる高齢者の人口も増加。つまり、熱中症の発生率が高まっているということ。熱中症と言えば真夏のイメージがあるが、最近では梅雨明けの直後、または梅雨入り前の急に気温が高くなった日などにも熱中症が発生する。
発生場所は、直射日光が当たる屋外が圧倒的に多いと思いきや、実際は4割を住居内が占め、1割は商業施設などの不特定多数が出入りする屋内で発生、残り約5割は室内での発生している。
<熱中症の症状と重症度>
医学的には、熱中症の重症度を以下のⅠ~Ⅲ度に分けて評価し、対処・治療ふる。
熱中症への理解を深めるために知っておくべし。
Ⅰ度(軽症)
めまい、立ちくらみ、筋肉のこむら返り、手足のしびれ、気分不快、大量の発汗などの症状が起きているものの、Ⅱ度やⅢ度には該当しない状態です。通常、現場での応急処置で回復。
Ⅱ度(中等症)
症状によっては、医療機関での検査・治療が必要な段階です。症状としては、頭痛、吐き気や嘔吐、体のだるさ、力が入らないなど。
Ⅲ度(重症)
救急車を要請すべき状態です。真っ直ぐに歩けない、高体温(体に触れると熱い)、意識がない、全身のけいれんなどが現れる。
<まとめ>
搬送される患者さんの半数は高齢者 、更に亡くなられる方に限ると、なんと9割は屋内で発生し、9割が高齢者 であるというデータもある。
職域での熱中症も、意外にも4分の1は屋内で発生している。
外出時に注意するだけでは、熱中症対策が不十分であることを覚えておくべし。
とは言え、先ずは帽子からという鉄則は守られたし。
