<難しいカスハラ対応>
土下座を強要、3時間以上拘束、海に沈めてやると恫喝、モンスタークレーマーの意外な正体とは。
仕事をしていれば、多かれ少なかれストレスを感じるだろう。
ただ度が過ぎると、健康を害することになる。
ストレスを感じる局面は色々とあるものの、いわゆるカスハラは解決が難しいとされる。
執拗なクレームや理不尽な要求、遂にはモンスターと化した加害者は、どんな人間なのか。
<ストレス度>
働く日本人の8割以上が、仕事で強いストレスを感じている。
厚生労働省の「令和5年版過労死等防止対策白書」によると、仕事や職業生活に関することで、強い不安、悩み、ストレス、を感じている労働者は、2022年では82.2%だった。
政府は2027年までに、この数値を50%にすることを目標としているという。
強いストレスを感じると回答した人たちに対してその要因について尋ねると、最多は、いわゆる、仕事の量で36.3%。
仕事の失敗、責任の発生等、仕事の質、対人関係、会社の将来、顧客、取引先等からのクレーム、と続く。
<仕事上のストレスの内容>
仕事量…36.3%
仕事の失敗、責任の発生等…35.9%
仕事の質…27.1%
対人関係(セクハラ、パワハラ含む)…26.2%
会社の将来性…23.1%
顧客、取引先等からのクレーム…21.9%
役割・地位の変化等(昇進、昇格、配置転換等)…16.2%
雇用の安定性…11.8%
事故や災害の体験…3.6%
日本の労働者はおよそ7,000万人だそうだ。
上記の割合をそのまま当てはめれば、仕事で強いストレスを感じているのは5,700万人ほど。
ストレスの要因が、仕事量や仕事の失敗である人は2,000万人ほど。
仕事の質という人は1,500万人、対人関係が1,500万人、会社の将来が1,300万人、顧客、取引先等からのクレームが1,250万人ほどとなる計算。
強いストレスを感じている人が最も多い年代は、40代で、87.1%、50代、84.8%、20代、83.0%、と続き、ストレスの要因ごとに最多となる年代をみていくと、若手は仕事の量や質、失敗等による負荷を敏感に感じ、30代は初めての昇進などで環境が変わることをプレッシャーに感じ、現場のトップとなる40代は顧客や取引先との対応で大きなストレスを抱えているといったことが見えて来る。
<ストレスの要因別最多年代>
仕事量…20代未満(42.7%)
仕事の質…20代未満(42.7%)
対人関係…20代(33.7%)
役割・地位の変化等(昇進、昇格、配置転換等)…30代(20.7%)
仕事の失敗…20代(50.8%)
顧客、取引先等からのクレーム…40代(30.4%)
雇用の安定性…30代(18.5%)
会社の将来性…30代(25.2%)
<執拗な要求をしてくるモンスタークレーマー>
それは一体どんな人たちか?
ストレスの要因のうち、解決が難しいのが、顧客、取引先等からのクレーム、つまりカスハラ。
被害者はどうしても弱い立場になりがちで、会社に状況を訴えたとしてもお客様だから上手くやってなどといわれるケースも珍しくない。
実際のカスハラの事例をみていくと、常軌を逸したものも、ここまでくると、クレームではなく犯罪だ。
例えば、毎日、おまえら海に沈めてやるなどの電話が続き、手下らしき人から職場の前で見張られていた。
不当な欲求で2時間近く居座られた。
店内で大声で喚き従業員に対して執拗に土下座を強要された。
あなたみたいな中年の仕事ができない人は許せないという年齢による批判や、顔がふざけてる、真剣に謝ってないと対応を批判され、3時間以上拘束されたなど。
ビジネス上、最高ランクに位置する人が、モンスタークレーマーと化す意外な事実。
自分は偉いのだと勘違いでもしてしまっている。
心当たりのある人は、一度、自身の言動を振り返ってほしい。
<まとめ>
なんだその態度は、山手線止めてんだよ、などと怒るJR駅員に私は同情する。
急増するモンスタークレーマーに注意した勇気は素晴らしい。
長時間の居座りや度重なるクレームに大声で恫喝したって時に正しいと思う。
モンスタークレーマーに最後に言うべき、簡単なひと言は、ほどほどにしておかないとしっぺ返しが来ますよとでも言うことか。
何れにしても、こういった人は、そもそも弱い人間であって悪あがきでしかないのだろうと思う。